ハジメテノコイ
雅臣side


あの男みたいな柚希が最近、ちょっと可愛くなってる気がした。

子供の頃から一緒でずっと、常に俺と一緒に居た。

高校生になると柚希は家の居酒屋の手伝いを始めた。

そこからあんまり一緒に遊ぶことはなくなった。

ほんとに男みたいにわんぱくな頃から俺は柚希がすきだ。


「さっきの、自分に言ってるみたいだったよ」

「なにが?」


一愛が言った。


「言わないまま、何もしないまま終わらせたらいいじゃんってやつ」

「あぁ...」

「いいの?柚希、取られちゃうかもよ」

「俺は...あいつが笑ってたらそれでいいよ」


俺はわんぱくでやんちゃな顔して笑う柚希がすきだ。


「もー、かっこつけちゃって!」

「うるせーよ」
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