ハジメテノコイ
「柚希！？」


バタバタと慌てて帰ってきたのは学校から電話があったのだろう、ママだった。


「どうしたの！？」


あたしを見るなり駆け寄ってくるママ。

そんなママを見てあたしは子どもみたいに泣いてしまった。

理由は聞かないでずっと抱きしめて頭を撫でてくれるママ。


「ゆず！？」


次にドタドタと帰って来たのは紬希を抱えた樹希。

ママがお迎えを頼んだのだろう。

あたしがしっかりしなきゃって思ってから樹希の前で泣いたことはない。

だから少し焦っている樹希がおかしくて。

あたしは家族みんなに愛されてるなぁ。


「みんなありがとね」


あたしは笑ってそう言った。

パパも心配していると言うので電話をかけた。

今日はお店閉めようとか言い出すから、さっさとママを見送ってあたしはいつも通り家事をした。
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