ハジメテノコイ
もちろんあれからあやのからの連絡はない。

ひょっとしたらって期待してしまって、連絡先を消せないあたしが居る。

そんな中、いつものように紬希のお迎えに行こうとしていた。

コンビニ帰りの雅臣に会った。

コンビニの袋をぶら下げて、アイス片手に歩いている。


「雅臣!」


あたしは手をふった。


「おぅ」

「もう家帰るの?」

「ん」

「何食べてんの?」

「バニラ」


雅臣が子どもの頃からすきなアイスだ。


「もーらいっ」

「あっ...」


あたしは雅臣が食べてるアイスを一口かじった。


「お前...すきでもない奴にそーゆーことすんなよ.....」

「あたしと雅臣の中なんだからいいじゃーん」

「俺じゃなかったら勘違いすんぞ、世の男どもは」


ブーブーブーブー。


「ごめん、電話だ」


あやのだ。


「出ねーの?」

「出るよ...」


あたしは電話に出た。
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