ハジメテノコイ
「なんで連絡くれないのー?」


久しぶりに聞く電話越しのあやのの声。


「なんでって...」

「あ、SNS見た?」

「.......うん」

「彼女は柚希だけど、彼氏は別なの」


堂々と浮気宣言?


「あたしは...耐えられないよ。すきになったのも、手を繋いだのも、キスをしたのだって...あやのが初めてだったの」

「そんな(笑)重いよ(笑)もっと気軽に恋愛しなきゃ(笑)」


目頭が熱くなった。

目の前が涙でぼやける。


「さようなら」


そう言ってあたしは電話を切った。

外なのに涙が止まらない。


「ごめんね、雅臣、変な空気になっちゃって(笑)」


あたしは笑ってみせた。


「馬鹿っ...」


あたしは雅臣に引き寄せられた。

雅臣の香水の匂い。

ガッチリしたからだ。

もうこんなに変わってたんだ。

さっき失恋したばかりなのにあたしはドキドキしてしまっている。
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