ハジメテノコイ
「いや、今年もみんなで行こう」


雅臣がそう言った。

ごめんね、気を使わせて...。

毎年地元の大きな花火大会はあたしの家族と雅臣の家族みんなで行っている。


「そろそろ帰るわ、チビも眠そうだし」


あたしの膝の上でうとうとしている紬希。


「玄関まで送るよ」

「いや、いいよ、チビみててやって」

「はい、いってらっしゃい」


ママがつむを抱きあげた。


「俺も行く」

「樹希はパパとゲームだ」

「ふっ(笑)」

「なんで笑ったの?」


どうしてもあたしと雅臣を二人っきりにしたいママとパパを見て雅臣が笑った。


「いや、なんでもねぇ(笑)」
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