ハジメテノコイ
「夜は少し涼しいね」


玄関の外に出てあたしは言った。


「外まで出て来なくていいのに」

「あたしが雅臣と二人っきりになりたかったの」


雅臣の顔が赤くなる。


「じゃあ...また明日な」


雅臣はあたしの頭をぽんぽんっと撫でる。


「うん、また明日ね」


あたし達は手をふった。

家に入ると紬希は寝ていて、樹希はお風呂に入っているらしい。


「ねぇねぇ、どこまでいったの!?」


ママは目を輝かせて聞いてくる。


「普通親はそんなこと聞かないよ、ママ...」

「手ぐらい繋いだだろ?」

「普通パパって娘の彼氏とか嫌がるんじゃないの?」

「まーくんなら大歓迎」


うちの両親は雅臣をゴリ推し。

あたしは逃げるように自分の部屋へ行った。
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