キミの空に虹を!
Weather5.皆既日食
「おい!学校行くんだろーが!早くしろ!」

「ちょっと待って!制服のネクタイがどっかいったんだよ〜!!」

次の日の朝、波月くんは学校の制服をキッチリ着こなして、私を睨みつけていた。

(ん?なんで制服来てるのかって?)

それはね、波月くんの過去の話を社会の学びに活かして欲しい。と校長先生直々に言われたからなんだ〜!

「ネクタイならココにあるけど。」

「あっ!ありが…」

すると、お礼を言う前に私の首元にネクタイを結びつけられる。

もちろん、顔の距離はおよそ数センチ。

(ち…近い!)

「あの…、波月くん。」

恐る恐る指摘する私。と、それに気付いたらしい波月くん。

「なんだよ。って、おわぁぁ!」

みるみるうちに2人とも顔が真っ赤だ。

「距離に気をつけてよね、心臓持たないから…。」

「悪い。その〜、気をつける。」

気まずい間を春風が流れる。

すると、ぴょこっと揺れるツインテールが部屋の角で捉えられた。

「「ひまり(ちゃん)!?」」
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