麻衣ロード、そのイカレた軌跡❸/イカレ少女、磁場を産み落とす!
その6
麻衣



このカモシカ野郎…

記事まで熟読してるわ

話が前に進まないだろーが…!

「まさかあんたが、あの怪物とそんな関係だとはね…。しかしさあ、墨東からは個人の謝罪だけじゃなくて、南玉との和解まで取り付けて、だだモンじゃないな、あんた」

私はあえて、ストレートにカマ掛けた

「そっちの手が煩わずカタが付いたんだから、良かったんじゃないの?それとも、他で話しつけられちゃ、何か都合悪いことでもあった訳?」

ほー、結構ズバッとくるねえ…

よし、こいつに小細工はいらない


...



「あんた、何が言いたいんだ…?」

「…。私の耳にもいろいろと入ってくるんだよ、どうしてもさ…。例えば、今回はあんたの自作自演じゃないかとか」

このカモシカめ!

一体、どこまで知ってて動いたんだ、コイツ…

私は、頭も体も異様に熱くなってきたのを、はっきりと自覚した

「はー?おい、おい、じゃあ、私が亜咲さんを襲わせたって言うの?」

「ちがうのか?」

「あの人は私の唯一、敬愛してる先輩だったんだ!一緒にレッド・ドッグスを起ち上げてくれた恩人みたいな人なんだよ」

「だから、やってないってことね?」

絵に描いたような丁々発止の、火花が散るやり取りだった

「ああ、私はやってない」

私は間髪入れず、きっぱりとウソを言った


...



そして、横田もきっぱりとした口調でこう言い切った

「わかった…。でも、今後もし、亜咲さんの純粋だった走りの気持ちを汚すようなマネしたら、この私が絶対許さない。それは忘れないでおいて」

「…」

驚いた!

コイツ、亜咲さんが残した言葉、そのままじゃん

横田は終始、私の目から視線を外さなかった

ハハハ…、こりゃいいや

ここまでガンガン来てくれるとはね…

どうやら私の視界に殴りこんできたこの体育会系…

私の未知の領域に、火をつけちゃちゃったみたいだわ





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