麻衣ロード、そのイカレた軌跡❸/イカレ少女、磁場を産み落とす!
その4
麻衣



梅雨の合間の何とやらで、今日は快晴だ

陽気は暑いくらいだし、半袖で丁度いい

さーて!

本日、火の玉川原で、新体制の南玉連合全体集会がある


...



久美をはじめ”数人”のメンバーは、既に川原に到着してる頃だ

スタートは夕方だが、テントの設営準備でね…

その先発隊が”全員”ではないところがミソだ

ヘへ…

私はこういうとこ、芸が細かいもんでね

それと、新たなメンバーである祥子は外してある

いきなり参加させちゃうかって、選択肢もあったけどね


...



で、私はというと…

火の玉の前に、ある人と会う

南玉連合の新OGである、木戸真澄先輩だ

アポは取ってあるが、無論、人を介してだ

例の”評判のよくない”先輩経由なのは、言うまでもない

場所はK駅前の喫茶店となっている

さて、少し早いけど出かけるか


...



待合わせの店に着くと、まだ真澄先輩は来ていなかった

一番奥の席に座り、待つこと15分弱

やっとお出ましだわ

「いやあ、待たせてすまないね。化粧のノリが悪くてさ。梅雨のせいかなあ…、はは…」

ここんとこ、この先輩は上機嫌このかたない

無理もないさ

首を長くして待っていた、荒子体制が実現したんだ

真澄先輩は新人OGだが、荒子体制の後見役というポジションを確立した

そして、私とも影の連携を拒否しなかった

あの紛糾した前執行部追い落としの際、この先輩は最前線に立って、メンバーにその存在を強く示すことができた

特に、相川&南部の密会ツーショットを暴露した時のこの人、恍惚としてたわ(笑)

という訳で、味をしめたんだろう

まあ、こっちの思うとおりに動いてくれるなら、持ち上げるのはやぶさかではないさ


...



「集会前にお時間とってもらって、すいません。ぜひ、先輩には事前にお伝えしたいことがありまして…」

真澄先輩は、顔をクシャッとさせて、相も変わらずご機嫌の様子だ

それにしても、異様な笑顔だなあ…

真樹子さんとは、また違ったケバさがあるよ(苦笑)

「実は…」

早速私は、”本題”を切り出した…




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