月下の逢瀬
『だから、理玖には関係ない』
さっきまで溢れていた涙は、止まっていた。
目尻に残る涙の残骸を拭いて、あたしは目の前にいる理玖を見た。
『理玖は、理玖の彼女だけ見てたらいいじゃない』
『今、俺のことは関係ないだろ。
好きでもないやつと、何やってんだよ?』
『放っておいてよ! あたしのことなんだからっ』
情けなかった。
自分が馬鹿だと分かっていて泣いていたのに、
それを知られてそして責めるのが、何で本当に想っている人なんだろう。
『……本当に好きな奴がいるなら、そんなことすんなよ。そいつのところに行けよ』
行けるわけ、ない。
好きな人、理玖には、大切にしている彼女がいる。
長く付き合っている彼女が。
だから、忘れようとしたんじゃない。
さっきまで溢れていた涙は、止まっていた。
目尻に残る涙の残骸を拭いて、あたしは目の前にいる理玖を見た。
『理玖は、理玖の彼女だけ見てたらいいじゃない』
『今、俺のことは関係ないだろ。
好きでもないやつと、何やってんだよ?』
『放っておいてよ! あたしのことなんだからっ』
情けなかった。
自分が馬鹿だと分かっていて泣いていたのに、
それを知られてそして責めるのが、何で本当に想っている人なんだろう。
『……本当に好きな奴がいるなら、そんなことすんなよ。そいつのところに行けよ』
行けるわけ、ない。
好きな人、理玖には、大切にしている彼女がいる。
長く付き合っている彼女が。
だから、忘れようとしたんじゃない。