月下の逢瀬
『……晃貴くん』
果たして、おばさんがぽつりと俺の名前を呼んだ。
全てを話した俺は、ゆっくりと顔を上げた。
どんなに憎まれようと、怨まれようと、受け入れるつもりだった。
むしろ、俺を許さず、罵理雑言を浴びせて欲しかった。
しかし、おばさんはそんな俺のそばまでやってきて、強く抱きしめた。
びっくりするくらい強く。
『佐和は、あの子はバカなやり方だったけど、自分の意思で想いを遂げたのよ。
決して、晃貴くんが殺したんじゃない』
『俺、だよ。俺があんなこと……』
『違う! これを読んでくれたら、分かる』
おばさんは俺から身を離して、仏壇の奥から封筒を一枚取り出した。
少しくたびれたそれを俺に突き出す。
『佐和の、遺書よ』
恐る恐る、それを受け取った。
ゆっくりと便箋を出し、開く。
「お母さんへ」
綺麗な文字で、最初にそう書かれていた。
果たして、おばさんがぽつりと俺の名前を呼んだ。
全てを話した俺は、ゆっくりと顔を上げた。
どんなに憎まれようと、怨まれようと、受け入れるつもりだった。
むしろ、俺を許さず、罵理雑言を浴びせて欲しかった。
しかし、おばさんはそんな俺のそばまでやってきて、強く抱きしめた。
びっくりするくらい強く。
『佐和は、あの子はバカなやり方だったけど、自分の意思で想いを遂げたのよ。
決して、晃貴くんが殺したんじゃない』
『俺、だよ。俺があんなこと……』
『違う! これを読んでくれたら、分かる』
おばさんは俺から身を離して、仏壇の奥から封筒を一枚取り出した。
少しくたびれたそれを俺に突き出す。
『佐和の、遺書よ』
恐る恐る、それを受け取った。
ゆっくりと便箋を出し、開く。
「お母さんへ」
綺麗な文字で、最初にそう書かれていた。