月下の逢瀬
おかしいくらい、体がびくりとなった。
「あ、あの……、どういう意味…」
「文化祭の夜、理玖が椎名ちゃんの部屋に入ってくの、見た。
カーテンくらい引きなさいよね。まる見えだった」
文化祭の夜。
理玖の頭越しに見えた月を思い出す。
理玖が入ってきてから、すぐにカーテンを閉めなかった……。
「な、なんでそんなこと……」
「あの日、理玖の様子がおかしかったから、後をつけて行ったの。
そしたら、自分の家に入らずに、まっしぐらに椎名ちゃんの家に入ってくんだもん。怪しいと思って、陰から見てた。
あ、勝手に入って覗いたことは謝らないよ」
事実、ああいうシーンを見ちゃったわけだしね、と玲奈さんは肩を竦めた。
「それから二人の様子を見てたんだけど、学校じゃすっかり他人の顔してるのね。
ま、だからこそ今まで気づかなかったんだろうけど」
玲奈さんは真っすぐにあたしを見つめた。
「今更、いつからなのかとか、どちらからなのかとか聞かないよ。
とにかく、もう理玖には関わらないで。
理玖の家のお隣りに住んでるあんたなら、理玖があたしとは別れられないことくらい、わかってるんでしょ?」
「あ、あの……、どういう意味…」
「文化祭の夜、理玖が椎名ちゃんの部屋に入ってくの、見た。
カーテンくらい引きなさいよね。まる見えだった」
文化祭の夜。
理玖の頭越しに見えた月を思い出す。
理玖が入ってきてから、すぐにカーテンを閉めなかった……。
「な、なんでそんなこと……」
「あの日、理玖の様子がおかしかったから、後をつけて行ったの。
そしたら、自分の家に入らずに、まっしぐらに椎名ちゃんの家に入ってくんだもん。怪しいと思って、陰から見てた。
あ、勝手に入って覗いたことは謝らないよ」
事実、ああいうシーンを見ちゃったわけだしね、と玲奈さんは肩を竦めた。
「それから二人の様子を見てたんだけど、学校じゃすっかり他人の顔してるのね。
ま、だからこそ今まで気づかなかったんだろうけど」
玲奈さんは真っすぐにあたしを見つめた。
「今更、いつからなのかとか、どちらからなのかとか聞かないよ。
とにかく、もう理玖には関わらないで。
理玖の家のお隣りに住んでるあんたなら、理玖があたしとは別れられないことくらい、わかってるんでしょ?」