月下の逢瀬
玲奈さんの口調ががらりと変わった。
刺すように鋭い瞳の光。
「理玖とあたしが婚約してること、もちろん知ってるよね? あたしの親が理玖の家の援助をしてることも。
あたしかいないと理玖は困るんだよ?
わかってる?
理玖はあたしのものなの。あんたになんかあげられない」
婚約。
知っていたとは言え、玲奈さんの口から聞くとやはり事実なのだと愕然とした。
と、玲奈さんがくすりと笑った。
「やだ、顔色真っ青。そんなに焦るくらいなら、最初から手を出したりしないでよ。
あんたには中学の頃に一回助けてもらったし、それに免じて今回はもう目をつぶる。
その代わり、『次』はないから。
あんたにもそれ相応のことさせてもらうし、理玖にも、あたしを裏切るってどういうことかわかってもらう」
「……っ! 理玖は悪くないの!
あ、あたしからなの!」
理玖が困る!
玲奈さんの言葉に胸が潰れそうになる。
顔色を変えたあたしに、玲奈さんは蔑んだように鼻で笑った。
「何? その態度。
理玖を庇ってるつもり? 人のものに手をだしといて、エラソー」
「……ご、ごめんなさい。でも」
「もしかして、あたしを出し抜いて理玖を手に入れたとか、勘違いしてない?」
すらりと玲奈さんが立ち上がった。
刺すように鋭い瞳の光。
「理玖とあたしが婚約してること、もちろん知ってるよね? あたしの親が理玖の家の援助をしてることも。
あたしかいないと理玖は困るんだよ?
わかってる?
理玖はあたしのものなの。あんたになんかあげられない」
婚約。
知っていたとは言え、玲奈さんの口から聞くとやはり事実なのだと愕然とした。
と、玲奈さんがくすりと笑った。
「やだ、顔色真っ青。そんなに焦るくらいなら、最初から手を出したりしないでよ。
あんたには中学の頃に一回助けてもらったし、それに免じて今回はもう目をつぶる。
その代わり、『次』はないから。
あんたにもそれ相応のことさせてもらうし、理玖にも、あたしを裏切るってどういうことかわかってもらう」
「……っ! 理玖は悪くないの!
あ、あたしからなの!」
理玖が困る!
玲奈さんの言葉に胸が潰れそうになる。
顔色を変えたあたしに、玲奈さんは蔑んだように鼻で笑った。
「何? その態度。
理玖を庇ってるつもり? 人のものに手をだしといて、エラソー」
「……ご、ごめんなさい。でも」
「もしかして、あたしを出し抜いて理玖を手に入れたとか、勘違いしてない?」
すらりと玲奈さんが立ち上がった。