月下の逢瀬
自信に溢れた玲奈さんの言葉に、身が凍る。
『好きだ』
言って欲しくてたまらない、理玖からの言葉。
玲奈さんには、やっぱり言うんだね。
俯いたあたしに、玲奈さんの声が降ってくる。
「ま、付き合いだして三年経つしね。
理玖が多少浮気したって仕方ない、と思うことにしてあげる。
椎名ちゃんも、理玖を忘れてさ、新しい恋愛でもしなよ。
そしたら理玖のことなんてどうでもよくなるよ、きっと」
「そんな簡単に……っ」
顔をあげると、可愛らしい笑顔。
「忘れられるわけない?
大丈夫だよ、忘れられるって。
渡辺さん、覚えてるよね? 理玖のことが好きだった子。
あの人、高校に入ってすぐ彼氏を作ったんだよ。しかもその人とはもう別れてて、今は新しい彼氏がいるんだ。
理玖のことなんてすっかり忘れてるんだよ。
あんなに泣いてたくせにね」
くすくすと肩をゆらして笑う。
「あたしはあの時から何も気持ちは変わってない。むしろもっと理玖を想ってる。
理玖だけを見てる。
理玖のこと、愛してるもん。
背中の傷だって、理玖と引き換えならなんてことない。
椎名ちゃん、あんたに理玖は手に入れられない。
あたしと理玖の間には誰も入れないんだから」
『好きだ』
言って欲しくてたまらない、理玖からの言葉。
玲奈さんには、やっぱり言うんだね。
俯いたあたしに、玲奈さんの声が降ってくる。
「ま、付き合いだして三年経つしね。
理玖が多少浮気したって仕方ない、と思うことにしてあげる。
椎名ちゃんも、理玖を忘れてさ、新しい恋愛でもしなよ。
そしたら理玖のことなんてどうでもよくなるよ、きっと」
「そんな簡単に……っ」
顔をあげると、可愛らしい笑顔。
「忘れられるわけない?
大丈夫だよ、忘れられるって。
渡辺さん、覚えてるよね? 理玖のことが好きだった子。
あの人、高校に入ってすぐ彼氏を作ったんだよ。しかもその人とはもう別れてて、今は新しい彼氏がいるんだ。
理玖のことなんてすっかり忘れてるんだよ。
あんなに泣いてたくせにね」
くすくすと肩をゆらして笑う。
「あたしはあの時から何も気持ちは変わってない。むしろもっと理玖を想ってる。
理玖だけを見てる。
理玖のこと、愛してるもん。
背中の傷だって、理玖と引き換えならなんてことない。
椎名ちゃん、あんたに理玖は手に入れられない。
あたしと理玖の間には誰も入れないんだから」