月下の逢瀬
「雪、降りだしたな」
「ホントだ」
映画を見終わって外へ出ると、雪がちらついていた。
どんよりとした空を見上げていると、
先生があたしの頭を撫でた。
「椎名は雪好き?」
「あんまり。寒いのは苦手だから」
首を横に振ると、くすりと笑う。
「じゃあとりあえず温かいものでも飲みに行くか?」
「行きたい」
「ん」
日曜日の街は少し混んでいて。
先生の少し後ろを歩いていると、さりげなく手を掴まれた。
きゅ、と握られた自分の手をちらりと見て、それから先生の横に並んだ。
「心配しなくても、はぐれたりしないよ」
「手を繋ぐ口実。それに、あったかいだろ」
さらりと返された。
「椎名。あとは、どこか行きたいとこある?」
「え、と。本屋さん行きたい。さっきの映画の、原作読みたくなったから」
「面白かったもんな。わかった、行こう」
「ホントだ」
映画を見終わって外へ出ると、雪がちらついていた。
どんよりとした空を見上げていると、
先生があたしの頭を撫でた。
「椎名は雪好き?」
「あんまり。寒いのは苦手だから」
首を横に振ると、くすりと笑う。
「じゃあとりあえず温かいものでも飲みに行くか?」
「行きたい」
「ん」
日曜日の街は少し混んでいて。
先生の少し後ろを歩いていると、さりげなく手を掴まれた。
きゅ、と握られた自分の手をちらりと見て、それから先生の横に並んだ。
「心配しなくても、はぐれたりしないよ」
「手を繋ぐ口実。それに、あったかいだろ」
さらりと返された。
「椎名。あとは、どこか行きたいとこある?」
「え、と。本屋さん行きたい。さっきの映画の、原作読みたくなったから」
「面白かったもんな。わかった、行こう」