月下の逢瀬
また明日と言う言葉通り、理玖は再び夜中にやって来た。
カーテンを閉め切った、光の差さない真っ暗な部屋で、ぼんやりとしか見えない互いの体を求める。
同じ屋根の下で眠る両親に気付かれてはならないと、
必死で声を堪えるあたしを、理玖はいつも愉快そうに密やかに笑う。
「真緒の我慢する姿、電気つけて見てみようか?」
「…………っ! ダメ!」
恥ずかしさのあまり、体ごと顔を逸らした。
理玖はその自分に向けられたあたしの背中に、唇を這わせた。
「ちょっ……、理玖……」
「真緒、俺のこと好き?」
すう、と唇が背中を流れて、あたしの体がしなる。
くうっ、と喘ぎ声が漏れそうになるのを慌てて手で塞ぐ。
甘やかなついばみ。
「好き? 真緒」
「……き。好き、理玖」
「もっと言って」
「好き。好き。理玖が好き」
「もっと」
理玖はいつも、あたしにそう言わせる。
何度も何度も。
繰り返し言うその言葉は、あたしの体を次第に熱くさせる。
好き。
理玖。
もっと熱くさせて。
背中に落ちていた唇が、ゆっくりと腰に、その下に落ちてゆく。
甘やかな口づけに、あたしは体を震わせた。
カーテンを閉め切った、光の差さない真っ暗な部屋で、ぼんやりとしか見えない互いの体を求める。
同じ屋根の下で眠る両親に気付かれてはならないと、
必死で声を堪えるあたしを、理玖はいつも愉快そうに密やかに笑う。
「真緒の我慢する姿、電気つけて見てみようか?」
「…………っ! ダメ!」
恥ずかしさのあまり、体ごと顔を逸らした。
理玖はその自分に向けられたあたしの背中に、唇を這わせた。
「ちょっ……、理玖……」
「真緒、俺のこと好き?」
すう、と唇が背中を流れて、あたしの体がしなる。
くうっ、と喘ぎ声が漏れそうになるのを慌てて手で塞ぐ。
甘やかなついばみ。
「好き? 真緒」
「……き。好き、理玖」
「もっと言って」
「好き。好き。理玖が好き」
「もっと」
理玖はいつも、あたしにそう言わせる。
何度も何度も。
繰り返し言うその言葉は、あたしの体を次第に熱くさせる。
好き。
理玖。
もっと熱くさせて。
背中に落ちていた唇が、ゆっくりと腰に、その下に落ちてゆく。
甘やかな口づけに、あたしは体を震わせた。