月下の逢瀬
「おはよー……?」


いつものように教室に入ると、いつもと空気が違っているのを感じた。

どこかおかしい。
だけど、理由がわからず首を傾げながら窓際の自分の席へ向かった。
既に椅子に座っていた結衣ににこりと笑う。


「おはよ、結衣」


「お、はよー」


結衣は気まずそうに挨拶をして、あたしから顔を逸らした。


「どうしたの?」


首を傾げる。
そういえば、休んだ二日間も全然連絡なかったっけ。
自分のことに気をとられすぎて、気づかなかった。


「あー……。真緒、後でちょっといい?」

「うん? いいけど……」


一体何だろう?
今じゃダメなのかな?

聞きたかったけど、教室内の妙な空気が気になって、口をつぐんだ。


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