月下の逢瀬
理玖も、同じ気持ちなの?
横に感じる気配は、身じろぎもしない。
理玖は今、どんな顔をしているのかな?
気になるのに、怖くて顔を向けられない。
と、沈黙を理玖が破った。
「玲奈は、そろそろ意識が戻るだろう、って言われた」
返事の変わりに頷いた。
「その前に、真緒に話しておきたいことがあったんだ」
「え?」
「俺と、玲奈の間の話。あの時、話せなかったこと」
反射的に見上げると、理玖の茶色がかった瞳があった。
そこには迷いと決意が交互に現れてるような気がした。
聞きたくない。
知らないままでいたい。
二人が隠している、ちらりちらりと姿を現す秘密。
きっと玲奈さんの傷以上の、何か。
嫌だ。
だけど、知らなくちゃいけないんだ。
「聞いてくれるか?」
ぱしゃん。
小さな水音がした。
あたしはゆっくり、頷いた。
横に感じる気配は、身じろぎもしない。
理玖は今、どんな顔をしているのかな?
気になるのに、怖くて顔を向けられない。
と、沈黙を理玖が破った。
「玲奈は、そろそろ意識が戻るだろう、って言われた」
返事の変わりに頷いた。
「その前に、真緒に話しておきたいことがあったんだ」
「え?」
「俺と、玲奈の間の話。あの時、話せなかったこと」
反射的に見上げると、理玖の茶色がかった瞳があった。
そこには迷いと決意が交互に現れてるような気がした。
聞きたくない。
知らないままでいたい。
二人が隠している、ちらりちらりと姿を現す秘密。
きっと玲奈さんの傷以上の、何か。
嫌だ。
だけど、知らなくちゃいけないんだ。
「聞いてくれるか?」
ぱしゃん。
小さな水音がした。
あたしはゆっくり、頷いた。