感情少年少女
感情2
式島鳴都(しきしまなりと)ver.

その女の子はいつも窓から見える景色を眺めている。
いつもつまらなそうに。
僕はいつも窓の外を見ている女の子を見つめている。
その女の子があまりにも綺麗だから。
その女の子の名前は…。
「内宮さん！」
内宮茉夏(うちみやまなつ)さん。
同じクラスの女の子でいつも何を考えているのかわからない。
そして…いつも何かを知りたがっている。
「…なんですか」
窓の方を見ていた内宮さんはゆっくりと振り返る。
その表情はいつものつまらなそうなものだった。
「これ、先生が今日中に提出してって」
そう言って僕は内宮さんにプリントを渡す。
内宮さんは無言で受け取った。
「何か困ったことがあったらいつでも言ってね！」
僕は笑ってそう言うと内宮さんはいつも通りの表情でお礼を言った。
「ありがとうございます」
それだけ言うと内宮さんはまた窓の外を眺めた。
何を見ているのか…よくわからない。
でも外の景色を眺めている内宮さんを見ているのは僕は結構好きだ。
そんな僕の名は式島鳴都(しきしまなりと)。
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