突然現れた魔女っ子が帰ってくれません。
 開封せずに送り返そうと思った。スマホを手に伝票からそれらしき番号を探すため再度目をやると、急にカタカタと包みが震え出した。

 えっ!

 無意識に後ずさっていた。中身は本と書かれているが、実は何かの生き物かもしれない。

 得体の知れない包みを見ていると、ぱぁっと光った気がして更に後ろへ下がる。

 俺は自分の目を疑った。

 包みがひとりでに開き、その中身を露わにする。くすんだ赤い表紙の、分厚い本が出てきた。その表紙が今度は強く光って目を細めた。

 一度瞑った目を開けると、そこには女の子が立っていた。長い亜麻色の髪に赤いリボンが付いている。

 ……は?

 手から力が抜けてスマホが落ちた。

「はじめまして、私は三神ジュリと申します。吉良大和さんでお間違いないですかー?」

「……あ。はい」

「おめでとうございます、あなたは見事、ケリー魔法魔術学園2年後期の進級課題人材として選ばれました。なので今この瞬間から………。えーと、なんだっけ?」

 茶色の丸い瞳をぱちぱちさせながら、得体の知れない女の子は首を傾げる。

「え、つーか。実物? ホログラムとかじゃなくて??」
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