突然現れた魔女っ子が帰ってくれません。
2.
結局のところ、女の子、もといジュリは無理やり居座る事になった。
一応警察に電話しようとも考えたのだが、身元を聞くと魔法学園村にある寮に住んでいるとか言うので、警察を呼んだところで容疑をかけられるのは俺の方かもしれないと危ぶんだ。
俺は24歳でジュリは17歳。未成年を部屋に入れている時点でアウトだ。
「この小部屋快適ですー! キラさん、ありがとうございます」
「いいえ」
1DKの間取りなため、夜寝るのに困った。未成年の子供に手を出すつもりはないが、いかんせん性別は女なので空間を区切る必要があった。
俺は布団や衣類の一切合切を引っ張り出して、空のウォークインクローゼットを提供した。布団代わりに毛布を重ねて敷き、電気スタンドと折り畳みテーブルを置いた。今日からそこがジュリの部屋だ。
ちなみに本から出てきたカラクリについて聞くと、ジュリ曰く、「先生に魔法をかけて貰った」との事らしい。
「キラさんが包みを受け取ると自動的に開く魔法だと言っていました」
「……ああそう」
どうやら魔法とか魔女見習いという話は本当らしい。どこか担がれた気持ちはあるが、無理やり追い出すとあとが怖いので早々に諦めた。