たった一人、君に恋して
出会い
実桜side
「実桜! 彼氏ができたって本当!?」
「歌織(かおり)。久しぶりだね! 本当だよ」
出会い頭にいきなりそう声をかけてきた。
歌織は一番大学で仲の良い友達だ。
前回の別れから二ヶ月が過ぎ、立ち直った私はまた新しい出会いがあった。
大学4回生になり、いよいよ卒業に向けての卒論を書く時が迫ってきそうだ。
「で! 今回は大丈夫なんでしょうね!?」
「・・・・・・大丈夫だよ。今のところは・・・多分・・・・・・」
これまで何度も恋愛で失敗してきた私を見ている歌織が気にするのは当然だ。
周りから言わせてみれば、私は本当に人を見る目がないらしい。
それでもこれまで付き合った人たちも、最初はみんな良く接してくれる。
絶対に私に嫌な思いをさせないし、私を傷つけない。
他の女の子と二人で飲みに行ったりもしないし、絶対に家にも泊まらせない。
・・・最初の半年くらいは、だけど。
前回の彼氏の時も、歌織はずっと心配してくれていた。
そんな歌織の心配をよそに、私は彼氏を信じ続けた。