愛よりもお金が大事。

「そうだよな。分かった」

そう笑ってくれるけど、ちょっと傷付けた事が冬野の表情から分かった。


それを癒すように、私はそっと冬野の頰に軽くキスをした。


「同情してくれるなら、ちょっとは俺の事好きになれよ」


それに、曖昧に笑う。


私だってすごくこの人の事好きなのに。
全く気付いてなくて。
ちょっと、おかしい。


「口にキスさして」

そう言って、私が何かを言う前に、冬野は私の唇を奪う。
少し強引に、私の唇を貪り、舌を絡めてくる。


暫くして、満足したのか。


冬野は、ゆっくりと私から唇を離した。


「おやすみ」


冬野にそう言われ、おやすみ、と返し、最後に軽く冬野の唇にチュッと音を立てて、キスをした。