愛よりもお金が大事。

「うん。そう。前は二課」


なんで今さら改めてそれを訊いて来るのか？
初日に一課のみんなの前で、二課から暫くこちらでお世話になる事になったと、挨拶したのだけど。


「二課って、冬野さん居ますよね？」　


「え、あ、うん」


冬野が、何？



「冬野さんの好きな人って、絶対そうですよね？」　　


「え、いや、それは！」


なんで、最近この会社に来たような派遣の女の子に迄、冬野が私の事を好きな事が、バレてるの？



「あの人、絶対に私の事好きですよね！」


「はいっ？！」


え、なに、どういう事？！
一体この子は、何を言っているのだろうか？！


そう思い、マジマジと栗原さんを見ると、けっこう可愛い顔している。
いや、けっこうっていうか、かなり。


そう思うと、冬野が私の事を好きな事を知らなければ、あ、そうなんだ、と思ったかもしれない。


しれないけど、自分で言ってしまう辺り、なんか凄いな。