孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
「同じなんかじゃないですよ。私がいるでしょう」

 プロポーズされた時、言われて嬉しかった言葉を私も返した。

 奏飛さんもそれがわかったのだろう。私をしっかりと抱きしめ返し、優しく髪を撫でる。

「……そうだな。俺たちはもう孤独じゃない」

 温かさを取り戻した声で呟いた彼は、少し身体を離して私と目線を合わせた。その瞳は切ない色をしつつも、奥のほうに熱が宿っているように感じる。

「君と、家族を作りたい」

 階級も、家の決まりも関係なく、純粋にそう望んでくれている気がして嬉しさが込み上げる。

 私も眉を下げたまま微笑んで頷き、どちらからともなく唇を寄せ合った。

 最初からお互いを求め合う情熱的なキスを交わし、奏飛さんはたまらなくなったように私を抱きかかえた。寝室のベッドに座らせると、彼はやや荒っぽくネクタイをはずし、私の頬に手を添えて問いかける。

「抱いていいか?」
「はい。もう怖くはありません」

 ちゃんと目を見つめて答えた。今は、もっと触れ合いたいと本能的に感じている。

 こちらの気持ちを確認した奏飛さんは、私の首のホックをはずしてファスナーに手をかけた。それが下ろされ、下着姿を恥ずかしがる間もなく彼の唇が胸元に吸いつく。
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