孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
「どうしよう佛さん! 私まだまだ若くいたいのに、おばあちゃんになっちゃうじゃな~い」
「早く孫の顔が見たいとおっしゃっていたじゃありませんか」
佛さんの腕を掴んで揺するお義母様は、言葉とは裏腹に嬉しそうにしている。そのやり取りを見てクスクス笑っていると、彼女は落ち着きを取り戻して言う。
「まだ初期だから安心できないけど、ひとまずおめでとう。ちゃんと身体を大事にして、元気な赤ちゃんを生むのよ」
「はい。ありがとうございます」
温かい言葉をもらえてほっとしたせいか、怠かった身体がすっと軽くなったような気がした。
その時、リビングのドアの辺りに誰かがいるのに気づく。その人は生気が抜けたような瞳でこちらをじっと見つめていて、背筋がぞくりとした。
「香苗さん……!?」
いけない、彼女もここに来ていたとは知らず妊娠の話をしてしまった。絶対聞こえていただろうし、もし子作りで悩んでいるとしたら嫌な思いをさせたに違いない。
しかし香苗さんはふわりと微笑み、おもむろにこちらに近づいてくる。よく見ると目が笑っていなくて、言いようのない怖さを感じる。
「早く孫の顔が見たいとおっしゃっていたじゃありませんか」
佛さんの腕を掴んで揺するお義母様は、言葉とは裏腹に嬉しそうにしている。そのやり取りを見てクスクス笑っていると、彼女は落ち着きを取り戻して言う。
「まだ初期だから安心できないけど、ひとまずおめでとう。ちゃんと身体を大事にして、元気な赤ちゃんを生むのよ」
「はい。ありがとうございます」
温かい言葉をもらえてほっとしたせいか、怠かった身体がすっと軽くなったような気がした。
その時、リビングのドアの辺りに誰かがいるのに気づく。その人は生気が抜けたような瞳でこちらをじっと見つめていて、背筋がぞくりとした。
「香苗さん……!?」
いけない、彼女もここに来ていたとは知らず妊娠の話をしてしまった。絶対聞こえていただろうし、もし子作りで悩んでいるとしたら嫌な思いをさせたに違いない。
しかし香苗さんはふわりと微笑み、おもむろにこちらに近づいてくる。よく見ると目が笑っていなくて、言いようのない怖さを感じる。