孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
新妻は初夜に手解きされる
黒凪さんの妻になる決心をした私は、文字通り身ひとつで鮫島家を後にした。見えないガラスの靴を履いたまま。
服や小物などは、後日皆がいない時間を見計らって取りに行くつもりだ。もちろん荷造りなどしていないが、元々私物も大事なものも少ないのですぐにまとめられるはず。
心残りなのは育てた野菜たちと、あの野良猫に会えなくなることだけ。タイミングよく姿を現したら、ちゃんとお別れがしたい。
様々な思いを巡らせながら連れられてきたのは、六本木にある高級ホテル。黒凪家側に結婚の承諾をもらえるまで、今夜からひとまずホテルに泊まることになったのだが……。
車窓からラグジュアリー感たっぷりなエントランスを見た私は、目が点になる。
「まさか、このホテルに泊まるんですか?」
「なにか問題でも?」
涼しげな調子で聞き返す黒凪さんのほうを、勢いよく振り向く。
「もったいなさすぎます! 安いビジネスホテルで十分ですから」
「ここは俺たちが所有しているから、泊まらない選択肢はない。この辺り一帯も黒凪の庭だしな」
圧倒的な財力を見せつけられたようで、私は開いた口が塞がらなかった。
服や小物などは、後日皆がいない時間を見計らって取りに行くつもりだ。もちろん荷造りなどしていないが、元々私物も大事なものも少ないのですぐにまとめられるはず。
心残りなのは育てた野菜たちと、あの野良猫に会えなくなることだけ。タイミングよく姿を現したら、ちゃんとお別れがしたい。
様々な思いを巡らせながら連れられてきたのは、六本木にある高級ホテル。黒凪家側に結婚の承諾をもらえるまで、今夜からひとまずホテルに泊まることになったのだが……。
車窓からラグジュアリー感たっぷりなエントランスを見た私は、目が点になる。
「まさか、このホテルに泊まるんですか?」
「なにか問題でも?」
涼しげな調子で聞き返す黒凪さんのほうを、勢いよく振り向く。
「もったいなさすぎます! 安いビジネスホテルで十分ですから」
「ここは俺たちが所有しているから、泊まらない選択肢はない。この辺り一帯も黒凪の庭だしな」
圧倒的な財力を見せつけられたようで、私は開いた口が塞がらなかった。