孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
 いろいろあって疲れていたのか、肌触りのいいベッドに横たわるとすぐに眠りに落ち、翌朝も心地よく目覚めた。豪華なスイートルームは、起きた瞬間からお姫様気分にさせてくれる。

 朝食も奏飛さんが予約したと言っていたので、レストランでビュッフェをいただく。ひとりでいる気まずさを感じたのは最初だけで、焼き立てパンやその場で作ってくれるオムレツの美味しさをしっかり味わった。

 その後、彼から『明日、チェックアウトの時間に迎えに行く』と連絡が来て、この日は準備期間の一日となった。ありがたくお金を使わせてもらい、ホテル内で最低限必要な服や雑貨をひと通りそろえる。

 食事も『いいものを食べろ』と言われたけれど、貧乏性の私はコンビニ飯で済ませた。もう十分いい思いをさせてもらったので、普通のおにぎりが恋しかったのも本音である。

 そして迎えた月曜日、私はいよいよ黒凪家の皆様に挨拶をする。世間では三連休なので奏飛さんも休みだし、皆さんも集まってくれるのだそう。

 朝からシャワーを浴び、襟とベルトがついたネイビーのAラインワンピースに着替える。このきちんとした服も、一昨日ブティックで一緒に買ってくれたもの。この間よりも甘さは控えめで大人っぽい感じだ。
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