孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
「奥様、この暑さでは頭を冷やすどころかのぼせてしまいますよ」
「そうなる前に戻ってきなさい。大人なんだから、自分の限界くらいわかるでしょう」
嗜めてくれた佛さんに、彼女はツンとして言い放った。
おそらく、お義母様は罰を与えるつもりで言い出したのだろうが、私にとってはなんら苦ではない。むしろ内心喜んで「承知しました」と答えた。
とても心配そうにする佛さんに、私は何度も「大丈夫ですよ」と言い、麦わら帽子とタオルをお借りして意気揚々と外へ出た。
真夏の午後二時の屋外は痛いほどの日差しが降り注いでいるが、ちゃんと日焼け止めも塗っているから問題ない。さっそく雑草を抜きながら、豪邸の周りを歩く。
庭仕事から離れたのはほんの数日なのに久しぶりな気がして、気分転換になる。上流階級の暮らしより、やっぱりこのほうが合っているなとつくづく思う。
三十分を過ぎたくらいだろうか。気持ちのいい汗を掻きつつ、体調も問題ないので草取りを続けていた時、玄関のほうから誰かが歩いてくる音が聞こえた。
振り向くと、やや焦った様子のお義母様が小走りでやってくる。
「そうなる前に戻ってきなさい。大人なんだから、自分の限界くらいわかるでしょう」
嗜めてくれた佛さんに、彼女はツンとして言い放った。
おそらく、お義母様は罰を与えるつもりで言い出したのだろうが、私にとってはなんら苦ではない。むしろ内心喜んで「承知しました」と答えた。
とても心配そうにする佛さんに、私は何度も「大丈夫ですよ」と言い、麦わら帽子とタオルをお借りして意気揚々と外へ出た。
真夏の午後二時の屋外は痛いほどの日差しが降り注いでいるが、ちゃんと日焼け止めも塗っているから問題ない。さっそく雑草を抜きながら、豪邸の周りを歩く。
庭仕事から離れたのはほんの数日なのに久しぶりな気がして、気分転換になる。上流階級の暮らしより、やっぱりこのほうが合っているなとつくづく思う。
三十分を過ぎたくらいだろうか。気持ちのいい汗を掻きつつ、体調も問題ないので草取りを続けていた時、玄関のほうから誰かが歩いてくる音が聞こえた。
振り向くと、やや焦った様子のお義母様が小走りでやってくる。