転生(未遂)秘書は恋人も兼任いたします

衝撃的な言葉を残して、再び私の肌に唇を這わせる逸生さん。太ももを攻めていたはずの彼は、再び腰やお腹に甘い刺激を与えると、おもむろに伸びてきた手が私の背中に回った。

逸生さんは器用に片手でブラのホックを外すと、途端に顕になった膨らみに顔を近付ける。もう片方は大きな手が優しく包み込むように触れ、その指先が先端を軽く弾くと、身体に電気が走るような感覚に襲われた。


「…ふっ…ん、」

「声、もっと聞かせて」


手の甲で口を隠していた私を見て、逸生さんはその手を絡め取ると、そのままシーツに縫い付ける。すかさず唇を塞がれて、割って入ってきた舌に口内を犯され、それと同時に反対の手で胸も刺激されると、耐えきれずくぐもった声が漏れた。


「気持ちいい？」

「……は、い…」


耳元で囁かれ、正直に首を縦に振れば、「嬉しい」と呟いた逸生さんはそのまま私の耳朶を甘噛みする。それだけでびくっと身体が反応したのに、逸生さんは指先で固くなった先端をひたすらいじめるから、絶え間なく襲ってくる快感に頭がおかしくなるかと思った。


「…逸生、さん…っ」


涙目になりながら愛しい名前を呼べば、逸生さんは頬にキスをしてから「どうした？」と穏やかに紡ぐ。その優しい声にほっとしつつゆっくりと瞼を上げると、熱を孕んだ瞳で私を見つめている彼と視線が重なった。


「…私に出来ること、あります？」

「…え？」

「私ばっか気持ちよくなって、何だか申し訳なくて…」


ぼやけた視界の先にいる彼が、きょとんとしているのが分かる。でも、さっきからしてもらってばかりで何も出来ない自分が歯がゆかった。

せめてキスくらいはと、隙を見て自分から唇を奪えば、追うように唇を重ねてきた逸生さんは、私に覆い被さるように噛み付くようなキスを落とす。


「そんなこと、気しなくていいのに」

「…でも、」

「紗良は何もしなくていいから、ずっと俺の腕の中にいて」


逸生さんの表情が、一瞬苦しそうに歪んだ気がしたのは、気のせいなのだろうか。

まるで、この先もずっとそばにいてと懇願しているのうな彼の言葉に、目頭が熱くなるのを感じた。