転生(未遂)秘書は恋人も兼任いたします

再び私の唇を塞いだ逸生さんは、片手で私の手を握ったまま、もう片方の手を身体のラインをなぞるように下に移動させる。その手がショーツに触れ、隙間から指が侵入してくると、それだけでそこが十分に潤っているのが分かった。


「この下着、もう意味ないな」


脱ごうか。そう続けた彼は、ゆっくりとショーツを下にずらす。あっという間に一糸纏わぬ姿になった私は、慌てて近くにあった布団を手繰り寄せようとしたけれど、逸生さんがそれを制すように不意打ちで敏感なところを擦るから、上擦った声ととともにびくりと身体が跳ねた。


「隠すなって」

「うぅ…好きな人に見られるのって、こんなにも恥ずかしいものなのですね」


両手で顔を覆いぽつりと呟く私に、逸生さんは「好きな人って響き、なんかいいな」と呑気に笑う。


「…ん、あ……そこばっか…いや、です」


結局どこも隠すことが出来ないまま敏感なところを執拗に責められ、だらしない声を出しながらも酸素を求めるように肩で息をする。

程なくして「指、いれるよ?」と耳元で囁いた彼は、私が頷く前にゆっくりと私の中に指を埋めた。

急な圧迫感と、さっきまでとは違う快感が同時に襲ってくる。足の指にきゅっと力を入れてその刺激に耐えていると、彼の指先がある部分に触れた瞬間、大袈裟なほど身体が跳ねた。


「ここ、気持ちいいだろ」


逸生さんにそう問われ、こくこくと頷く。逸生さんの指先がそこを攻める度、身体がぞくぞくして甘い声が漏れた。

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