転生(未遂)秘書は恋人も兼任いたします
私、そんなに濡れてるの?と疑いたくなるほど、部屋に卑猥な水音が響き渡っているし、絶え間なく漏れる自分の声に、思わず耳を塞ぎたくなる。
けれど、さっき逸生さんが言っていた通り段々と恥ずかしいと思う余裕すらなくなってきて、次々と与えられる刺激を受け入れるようになった身体は、逸生さんの指を強く締め付けていた。
「……あ、もうっ……」
快感の波が襲ってきて、思わず声を零したと同時、逸生さんが動きを速めるから、その直後に頭が真っ白になった。
がくんと力が抜けた身体をシーツに預け、はぁはぁと肩で息をする。そんな私に「大丈夫?」と声を掛けてきた彼を、薄らと目を開けて確認すれば、いつの間に服を脱いだいたのか、逞しい生肌が視界に入ってドキッと心臓が跳ねた。
「そろそろ、いい?」
ゆっくりするから。そう続けた彼は、私を組み敷いてそっと額にキスを落とす。
「…はい、お願いします」
緊張からか、思いのほか小さくなった声に「痛かったら言って」と返した彼は、ゆっくりと腰を下ろした。
逸生さんのものが触れている。それだけで緊張がピークに達してしまう。
「紗良、力抜いて」
耳を甘噛みしながら囁かれ、ぴくんと身体が反応する。
「…ぃっ、…」
「大丈夫?」
「…は、い…大丈夫、です」
「ごめん、ちょっと我慢してな」
少しずつだけど、逸生さんが中に入ってきているのが分かる。それが深くなるにつれ、微かに裂けるような痛みが走る。
「紗良」
逸生さんが愛しい声で名前を呼んでくれるから、繋がっているのが逸生さんなんだって安心出来た。彼の熱を感じられるのが、嬉しくて仕方がなかった。