転生(未遂)秘書は恋人も兼任いたします

「……んっ…」

「…紗良、入ったよ」


逸生さんの声に、ぎゅっと瞑っていた瞼をそっと上げる。そこには優しく目を細めた彼の顔があって、やっと逸生さんとひとつになれたんだと実感した瞬間、じわじわと目に涙が浮かんでくるから、目の前にある愛しい顔があっという間に滲んでしまった。


「痛い？」


心配そうに問われ、ふるふると首を横に振る。そのまま彼の首に腕を回すと、自分から逸生さんの頭を引き寄せた。


「逸生さん…好き。大好き」


彼の肩に顔を埋めて、震える声で訴える。


「うん、俺も大好きだよ」

「……っ」

「紗良、愛してる」


強く抱き締め返され、愛の言葉を囁かれ。
涙腺は、一気に緩んでしまった。


「…紗良」


堰を切ったように溢れ出す涙を見た逸生さんは、眉を下げて笑いながら指で涙を拭う。


「…ごめんなさい。嬉しくて、つい」

「……」

「逸生さん、いっぱい抱いてください。もう、何も考えられなくなるくらい」


私の中を、逸生さんでいっぱいにしてほしい。一生忘れられないくらい、もう逸生さん以外の人では感じられなくなるくらい、めちゃくちゃにしてほしい。

そう願いながら、自分から逸生さんに噛み付くようなキスをした。挑発するように、彼の後頭部に手を添えて、何度も角度を変えながら、深く。


そうすれば、逸生さんはそのキスに応えながらもゆっくりと腰を動かし始める。その途端から、一気に形勢は逆転してしまった。


奥を突かれる度に甘い声が漏れ、頭が真っ白になりながらも無意識に彼の名前を何度も呼ぶ。そんな私に逸生さんは容赦なく腰をうちつけてくるから、今まで感じたことのない、突き上げるような快感に、脚がガクガクと震えた。

あっという間に絶頂に達してしまうと、目がチカチカして身体に力が入らなくなった。それでも彼は休む暇もなく求めてきて、その行為は１回に留まらず、何度も続いた。


繋がっている間、数え切れないほど彼の名前を呼んで、「好き」と伝えた。同じように逸生さんも甘い言葉をくれるから、嬉しくて最後まで涙が止まらなかった。


好きな人と繋がる幸せを、私はこの日初めて知った。