呪いで恋愛成就します!
その少女は真美と同じ制服を着ていて、長い髪の毛をポニーテールにして赤いリボンで結んでいる。


どこにでもいるような少女だったが、どこか自分たちとは違う雰囲気をまとっていた。


例えば着ている制服のデザインが少しだけ違う。


履いているシューズも、真美たちは真っ白だけれど少女のはつま先のゴム部分ががブルーだ。


そして持っている学生カバンには、見たことのないうさぎのキャラクターキーホルダーが


ついている。


パッと見れば違和感がないけれど、少しずつずれている感じがする。


「ね、ねぇ、悦美」


右手を伸ばしてどうにか悦美の制服の裾を掴む。


「え、なに?」


「あの子……」


距離が近すぎて指をさすことはためらわれた。


相手に自分っちの会話は聞こえているはずだ。


「あの子?」


悦美は見当違いな方向へ視線を向けて生徒を探している。


「違うよ、すぐ、そこにいる子!」


「すぐそこにいる子?」


首をかしげる悦美に『冗談よしてよ!』と言おうとしたときだった。


少女がスッと前に足を踏み出した。

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