呪いで恋愛成就します!
その動きはまるで動く歩道の上に乗っているようで、歩いているという感じではまるでない。


真央は一瞬にして言葉を失い、少女に釘付けになってしまった。


「ねぇ、ちょっと真央。もしかして私を驚かせようと思ってる？」


悦美が真央の横で腰に手を当てる。


しかし、真央にはそのほとんどが見えていなかった。


少しずつ、少しずつ少女がこちらへ近づいてきているのだ。


その度に冷たい空気が足元から這い上がってきて、全身が硬直していくようだった。


「真美、聞いてる？」


悦美が真美の肩を強く掴む。


その瞬間金縛りのような緊張感が少しだけとけた。


そのすきに少女から背を向けて、かけだしていた。


「え、ちょっと真美！？」


後ろから悦美の声がするけれど立ち止まってなんかいられない。


一気に校舎へと続く扉へ向かう。


途中足がなにかに引っかかって体が前につんのめり、あやうくこけそうになった。


そこは地面が丸く修復された、あの場所だった。


地面の色は変わっていても足にひっかかるようなものはなにもないが、そんなこと考える余裕もなかった。

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