呪いで恋愛成就します!
助けを求めるために悦美の方へ視線を向けるが、悦美は不思議そうな表情で真美を見つめているだけだった。
た、助けて……!
悦美へ向けて手を伸ばしたそのとき、少女の体が足先までずっぷりと真美の体に入り込んでいた。
「た、助けて!」
少女と真美が完全に一体化したとき、放たれたように声が出た。
「え? なに? どうしたっていうの?」
慌てて駆け寄る悦美は眉間に深くシワを刻んでいて、なにが起こったのかわかっていない様子だ。
「い、今のが見えなかったの!?」
「今のってなに? 真美が急に走り出して、急に立ち止まったこと?」
「違うよ! 女の子。見たことのない女の子がいた!」
真美の必死に訴えに悦美は目を丸くして「もしかして、ミキコさん?」と聞いてきた。
「たぶん、そう」
「嘘!? あの噂は本当だったってこと? ミキコさんは今どこにいるの!?」
キョロキョロとまた見当違いに周囲を探しはじめる悦美に、真美は青ざめた顔で自分の体を指差した。
「ミキコさん、私の中に入っちゃった……」
☆☆☆
ミキコさんは噂の通り、どうやら私に取り付いたらしい。