呪いで恋愛成就します!
真美は横目でその姿を見つめるだけで直視することはできなかった。


それでも体の熱が数度上昇したのを感じる。


『あれが修平くんね』


「キャア!」


突然脳内に聞こえてきた声に思わず悲鳴を上げて耳を塞ぐ。


「どうしたの?」


「ご、ごめん。ちょっとトイレ」


心配している悦美に一言行って教室から駆け出し、トイレの個室へと駆け込んだ。


ここならひとりで会話していてもバレにくい。


「い、いきなり話かけてこないでください! 昨日はあれほど出ていってって言っても無反応だったのに!」


『ごめんごめん。昨日の夜は爆睡してたの』


幽霊が爆睡って。


こっちは眠れなかったっていうのに!


文句を言ってやりたかったが、グッと喉の奥に押し込める。


今私の体はミキコさんに乗っ取られている状態だ。


気分を害して変なことをされたらたまらない。


『それで、今日告白するってことでいいわね?』


「き、今日!?」


『告白なんて一気にしないと一生できないわよ?』


そう言われると返事に窮してしまう。


確かに勢いは大切なのかもしれない。
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