呪いで恋愛成就します!
「だったらすぐに出ていってよ。そうすれば私の体力は戻るんでしょう?」


『そうね。でもそれにはあなたが私の願いを叶える必要がある』


さっきから願い願いって、一体なんなの!?


あまりに身勝手なミキコさんの要望に苛立ちを感じて、大きく息を吐き出した。


どうにか気持ちを落ち着けてベッドの上で仰向けになる。


見慣れた真っ白な天井を見つめていると、波打っている感情が穏やかになるのを感じる。


『人探しよ』


「人探し?」


『そう。ずっと探している人がいるの。でも、もうあの学校にはいないみたい』


不意にミキコさんの声に影がかかった。


それってもしかして、告白したくてもできなかったっていう相手のこと?


そう質問しようと思ったけれど、急激にまぶたが重たくなってきた。


これも体力を消耗しているせいだろうか。


真美の体は睡眠をとって回復したがっているようだ。


一体誰を探せっていうの?


その質問はできないまま、深い眠りに落ちていったのだった。
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