呪いで恋愛成就します!
「大丈夫だよ。ここはずっと使われてないんだ。来客は新しい応接室に通されるから」


そう言われればどこか埃っぽい教室だ。


修平が窓を開けてくれなかったら咳き込んでいたかもしれない。


「……あの、本当にごめんなさい」


寝転んだ状態で真美はつぶやく。


「体調が悪いときはお互い様だろ」


「そうだけど、でも昨日から私迷惑ばかりかけて……」


昨日のことを思い出すと今すぐ逃げ帰ってしまいたくなる。


あんな最低な告白をするくらいなら、ミキコさんに頼むんじゃなかった。


「昨日はさすがに驚いた。おとなしい真美ちゃんがあんな告白してくるなんて」


修平は思い出したように笑った。


「それに、教室で約束を取り付けてきたのも驚いたよ。あんな大胆なこともできるんだな」


その言葉に真美は左右に首を振った。


約束を取り付けたのも、告白をしたのも私じゃない。


違うの。


「……違うの」


かすれた声が出た。


どうしても修平にはあの告白は自分の意思じゃなかったことを伝えたかった。


「え?」


「実はね……」


ミキコさんの呪いなんてきっと信じてくれない。

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