呪いで恋愛成就します!

「それは、えっと……」


そう言えば聞いていなかった。


昨日は話の途中で値落ちしてしまったんだった。


「ちょっと、ミキコさんに聞いてみるね」


修平に一言伝えてからミキコさんへ話しかけた。


「ミキコさん、願いってなんですか？」


『人を探して欲しい』


「その人って、誰のこと？」


『私の、好きな人』


「名前は？」


返事がない。


「ねぇ、名前は？」


やはり返事はなかった。


「ミキコさんなんだって？」


「好きな人を探してほしいって。だけど名前を教えてくれなかった」


「ミキコさんの好きな人か。昔この学校にいた生徒のことで間違いないんだろうけど、名前がわからないのにどうやって探すかな……」


真剣な表情で考え込む修平に真美はとまどいを隠せない。


「あ、あの、もしかして手伝ってくれるの？」


「当たり前だろ？　乗りかかった船だし、このままじゃ困るだろ？」


「う、うん！　ありがとう！」


まさかこんな展開になるなんて！


真美は喜びを隠すことができず、頬を赤く染めたのだった。