呪いで恋愛成就します!
噂の中にも告白相手の名前は出てこないみたいだ。


「もしかして、噂の中に告白相手の名前が入っていないからミキコさんも答えられなかったんじゃないかな?」


ふと真美がそういった。


修平と悦美が不思議そうな表情を浮かべている。


「今までのミキコさんの言動って、噂の通りなんだよね。ミキコさんは学校の噂になっている部分だけは記憶として残っていて、あとのことはどんどん忘れていってるのかもしれない」


それは単なる憶測だった。


だけど、幽霊になってしまったミキコさんの記憶がどんどん失われている可能性はある。


ミキコさんの存在は、噂によって留められているのだ。


「そうだとすればどう頑張ってもミキコさん本人から名前を聞き出すことはできないってことか」


難しい問題になってきて3人で腕組みをして考え込む。


このままずっとミキコさんが出ていかないなんてこともあるのかな。


そう考えて背筋が寒くなった。


「そう言えばミキコさんはあ私達の親と同世代くらいだったよね?」


悦美の言葉に真美は頷いた。


ミキコさんの制服や持ち物から、総判断したものだった。

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