呪いで恋愛成就します!

そのアルバムを見た石田先生は懐かしそうに目を細める。


「これは懐かしいな。３１年前の卒業生だ」


「わかるんですか？」


修平は思わず大きな声をあげてしまう。


長い勤務の中の記憶を、こんなに簡単に思い出してくれるとは思ってもいなかったのだ。


「もちろん。この年は特別なものだったからなぁ」


そう言って懐かしそうに目を細める。


この年には忘れられないなにかが起こったんだろうか。


気になるけれど、今は昔話を聞いている暇はない。


真美はさっそく本題へ入ることにした。


「あの、この生徒のことを覚えていませんか？」


右上に四角く切り取られた写真を指指す。


その瞬間、石田先生の顔が歪んだ。


今にも泣いてしまいそうなその評定に真美と修平は目を見交わせる。


「かわいそうに。この子は死んだんだ」


「え……」


一瞬真美の胸のあたりが冷たく氷つくのを感じた。


死んだミキコさんのことを調べていると理解していたつもりなのに、昔同年代の女子生徒が死んだと聞かされのはやはり衝撃的だった。


「それは、どうして亡くなったんですか？」