呪いで恋愛成就します!
修平の声も少し震えている。


「それはあの出来事が原因だった。大きな大きな、歴史に残る出来事だった」


石田さんの視線が遠くを見つめる。


昔のことが今目の前で起きているかのような眼差しで、なにもない空間を見つめている。


なにが起こったのか。


これが死んだミキコさんなのかがわかる瞬間に……キーンコーンカーンコーン。


1時間目開始5分前のチャイムが鳴り響く。


その瞬間石田さんの顔つきが教師のそれに切り替わった。


「もうすぐ授業が始まる。話はまた後だ」


「そんなっ!」


引き留めようとする真美に背を向けて、石田先生は無情にも職員室へ戻って行ってしまったのだった。
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