呪いで恋愛成就します!
ミキコさんの家
石田先生からの話が中途半端になったふたりはその後も休憩時間の度に職員室へ向かった。


しかし、用務員の仕事というのはたくさんあるようで、石田先生は常に動き回っていて結局捕まえることができなかった。


「ここまで来たのに、先生たちから話が聞けないなんて……」


放課後、図書室へ戻ってきた真美は机に座って頭を抱えていた。


その隣には修平もいる。


「石田先生以外にはこの人のことを知っている人はいなかったしな」


一応他の先生にも話を聞いてみたのだけれど、みんな知らない生徒だと首を振った。


30年以上前からこの中学校に努めている先生は、本当にひとりだけしかいないらしい。


「どうする? 諦めるか?」


修平の言葉に真美は左右に首を振った。


ここまで来て諦めるなんてできない。


それに、一生ミキコさんが自分の中にいるなんてさすがに耐えられることじゃなかった。


なにか打開策があるはずだ。


なにか……。


再びアルバムに視線を移したとき、真美が小さく「あっ」と呟いた。


「どうした?」


「昔のアルバムって住所が載ってるんじゃなかったっけ?」

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