呪いで恋愛成就します!
さっきと同じセリフを無意識の内に繰り返して泣きそうになる。


『どこの問題ですか?』


そう質問すれば終わることなのに、それが恥ずかしくてできない。


呆然と立ち尽くしてしまったときだった。


「先生、私語が煩くて問題が聞こえなかったんだと思うよ?」


そんな声が聞こえてきて一瞬にして真美の涙はひっこんだ。


顔をあげて声のした方を確認してみると、そこには少し仏頂面をした修平がいた。


「ん? あぁ、そうか。問題1のAだぞ。河内」


その言葉に真美はようやくホッと息を吐き出した。


た、助かった……!


ひとことお礼を言いたくて修平へ視線を向けると、修平はすでに興味なさそうに窓の外をながめていたのだった。
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