呪いで恋愛成就します!
過去の出来事
ずっとあの人のことが好きだった。


将来は父親の後を継いで意思になると決めた、強い眼差しを持ったあの人。


夢を叶えるために毎日図書室に残って受取的に勉強していること。


自分から進んで保健委員に立候補して、少しでも経験をつもうとしていること。


そのどれもをずっと見てきた。


それでも内気な私はなかなか告白することができず、ただ毎日彼を見ているだけの日々だった。


そして、あっという間に中学3年生になってしまった。


部活動も引退して、あと数ヶ月で彼は遠くの高校へ行ってしまう。


私なんかよりもずっと頭が良くて、優秀な生徒が集まる高校へ。


勇気を出して彼を呼び出したのは卒業式が終わってからだった。


告白がこんなにギリギリになってしまったことは本当に悔やまれる。


もう少し早く勇気を出して行動していれば、もしかしたら楽しい中学校生活を送ることができたかもしれないから。


でも、とにかく私は彼を呼び出した。


放課後の、屋上に。


あの頃はまだ屋上の鍵が開放されていたから、ここで告白をする生徒も多かった。


「急に呼び出してごめんね」

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