呪いで恋愛成就します!
相手を目の前にすると心臓が破裂しそうになるし、パニックになっちゃう。


「とにかく、今日のことはちゃんとお礼言わないといけないよ?」


「う、うん」


真美はようやく耳を塞いでいた手をおろして頷いた。


教室での出来事を思い出すと胸がドキドキして顔が熱くなる。


修平は困っている人を見つけたら自然と手助けをすることができる。


そういうところも大好きだった。


「そうだ。超絶奥手な真美に面白いこと教えてあげる」


「面白いこと?」


今は恋愛の話をしていたはずなのにと首をかしげる。


悦美は満面の笑みで頷いた。


「私のお姉ちゃんに聞いた話なんだけどね……」


それはこの学校にまつわる噂話だった。


「この学校の屋上には女の子の幽霊がいるんだって。その幽霊は好きな人に告白しようとして、できないまま死んだんだって。だから告白したくて
もできない子に乗り移って、代わりに告白してくれるらしいよ?」


その話しに真美は苦笑いを浮かべた。


いくら告白できない私のためと言ってもあまりにも幼稚なつくり話だった。


「中学にもなって幽霊だなんて」

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