強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
生意気で強引な後輩くん
(生意気で強引な後輩くん)


「俺と付き合って、先輩」


「可愛い」


「大好き」


「デートしたい」


高校2年の春に知り合ったその男子は校舎内で会うたびにそんな甘いことを言ってきた。


最近では1日1回は私の教室(2年2組)まで会いに来る。


でも、本気かどうかよくわからない。


だって、なんだか軽いんだもん。


まだ知り合ったばかりなのにどうして。




「あ、吉野くんがいる。優ちゃん隠して」


移動教室の時、廊下のはるか向こう側に彼を見かけた私は慌てて親友の背中に隠れようとした。


「いや、もう手遅れだよ。ひよりちゃん。見つけられたみたいよ」


親友の優ちゃんは苦笑い。


彼がこっちへ向かって猛ダッシュしてきたからだ。


廊下は走っちゃいけないのにー。


「ひゃっ、こっちにくる」


あたふたしているうちに、バスケ部一瞬足の彼はあっという間に私のもとへ到着。
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