強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
「わっ」


頬にかかる髪をはらおうとしたけど、彼の手の方が早くて耳にかけてくれた。


そのまま頬から顎を撫でられてドキドキした。


「まだ顔、だいぶ赤いね」


「あ……う、うん」


「もう少し一緒にいていい?寒くなったら言ってください」


真っ直ぐに見つめられて、たまらず目線をそらせた。


胸の鼓動が聞こえちゃうんじゃないかと思うくらい早い。


恥ずかしい、早く静まって私の心臓。


「あ、あのそんなに見つめないで」


「どうして?」


「だって」


ただただ、恥ずかしいから。


それに顔の火照りを落ち着かせたくて風にあたりにきたのにこれじゃ逆効果だよ。


「ずっと見ていたい、ひよりさんのこと」


そんな歯の浮くようなことを言って、彼はなぜかうつむいて急に黙り込んだ。


あれ、どうしたのかな。

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