強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
これってこの前もそうだったな。


屋上で2人きりになった時、口数がすくなくなったっけ。


あの時も、こんな風に目をそらせて。


「あの……何か話して」


沈黙が照れ臭くてしかたないよ。


「……うん」


「なんでもいいから」


「じゃあそうだなー、うーん、何か面白い話あったかな」


指先で頬をかきながら空を見上げる。


いつもは余裕たっぷりに見えても、たまに恥ずかしそうにする時がある。


どうしよ、かわいいかも。

 
でも、私はそんな吉野くんを見ると安心してほっこりするんだ。


彼の目を見てふふっと小さく笑った。


「ひより先輩、なんだか楽しそうですよね。俺がいっぱいいっぱいになってるの見るのが面白いですか?」


拗ねたようにそう言ってため息をついた。


うん、楽しい。


なんて意地悪は言わないけど。
< 22 / 49 >

この作品をシェア

pagetop